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品川技報 第49号 (2006年)

品川技報
第49号(2006年(平成18年))

目次

巻頭言

所感

専務取締役 寺尾勝

 

特別寄稿

新しい耐火物構成成分を求めて

山口明良

<要約>

炭素含有耐火物は優れた特性を持っているが、一方で、酸化され易いという大きな欠点があり、金属や炭化物などの添加剤が酸化防止剤として活用されて いる。更に、種々添加剤によって、炭素の酸化防止のみならず、表面保護層の形成、気孔率減少、耐食性の改良、熱間強度の増大などの耐火物に自己修復的機能を与える ような効果が知見されている。今後は、この機能が一層注目され、有効な添加剤の開発が進むと見られ、その組成は、M(金属)-O-C-N系から構成されると予想される。 本稿では、Al-Si-C系、Al-B-C系およびAl-C-O系の化合物の実用化に向けての発展の可能性を考えてみたい。

四半世紀を隔てたコークス炉築炉工事

長坂 正、中尾政彦、石井浩二

<要約>

国内で四半世紀ぶりとなるコークス炉建設工事がJFEスチール株式会社西日本製鉄所福山地区で行われた。

本報ではそのコークス炉建設への取り組みについて報告する。

報文

ZrO2-C材料におけるZrCの生成および溶鋼浸透に及ぼす影響

林 (火へんに韋)、内田茂樹、渡津 章、園田 勉、山口明良

<要約>

1560℃でのAr雰囲気(1時間保持)における溶鋼とZrO2-Cとの反応を調査した。溶鋼はZrO2-Cルツボの側面から内部へ2~3mmの深さまで浸透し、ZrO2粒の周りに ZrCコーティング層が形成されていた。溶鋼による多孔質ZrO2と多孔質ZrCの濡れ性を計測した。溶鋼はZrO2に対して濡れ性が悪いが、ZrCに対して濡れ性が良く、基板の 内部へ浸透した。これらの結果は、溶鋼とZrCとの間の濡れ性が良いことに起因してZrCコーティング層が溶鋼のZrO2-C内部への浸透を誘発したことを示している。 熱力学的計算によると、ZrO2とCの反応によるZrCの生成条件は1560℃でCOガス分圧PCOが0.35atm以下である。そのため、ZrCの生成を抑制することが、ZrO2-Cの特性を 改良する1つの方向になると考えられる。

製品及び実績の紹介

中鋼集団洛陽耐火材料有限公司製珪石れんが

李 勇、王 鴻妹、加藤豊次、谷口重生

<要約>

品川白煉瓦株式会社は全ての珪石れんがと珪石断熱れんがの技術を1991年に中鋼集団洛陽耐火材料有限公司に供与し、日本への独占販売契約を結んだ。品川は 製造指導と納期管理を指揮し、熱風炉、コークス炉、ガス窯を含む各種窯炉向けに22,000トン以上の珪石れんがを供給してきた。本報では中鋼集団洛陽耐火材料有限 公司の珪石れんがについて紹介する。

コークス炉々蓋用プレキャストブロック

片岡 護、森孝一郎

<要約>

コークス炉炉蓋に使用されるプレキャストブロックには、カーボンの付着や亀裂進展による脱落の問題がある。この問題を解決するために、我々はアンカー 構造と共に、脱落防止構造、焼成方法を検討し、本報の釉薬処理ブロックを開発した。

高炉樋へのブロックの活用

四竃浩之、北村匡譜、谷川正一

<要約>

キャスタブルは高炉樋に一般的に使用されているが、煉瓦などの定形耐火物にはあまり活用されていない。煉瓦やプレキャストブロックを傾注樋、溶銑樋及び 溶滓樋に適用した結果、耐用の改善において効果が認められた。

転炉出鋼口スリーブの実績

中村 真、河田洋祐、須藤 実、国井 仁

<要約>

転炉の生産性低下を回避するために、転炉出鋼口スリーブの改善が多くの製鉄所から望まれている。今回新しく開発された転炉出鋼口スリーブ用低カーボン質 マグカーボンれんがは、長寿命とスポーリング損傷の低さに伴う安定した性能により世界中の多くの顧客から評価されている。

この報告では、我々の典型的な製品の特徴と実績について紹介する。

不定形耐火物へのリサイクル方法

高倉雄一、佐々木久晴、難波 誠

<要約>

耐火物のリサイクル活用は地球環境改善のための主要技術の一つである。不定形耐火物は製鋼用炉に幅広く使用されているが、不定形耐火物のリサイクルと いう点においては幾つかの問題点がある。本稿では数例の不定形耐火物のリサイクル方法について紹介する。

自動面圧負荷SV装置

光井健治、長田基嗣、森井浩明

<要約>

煉瓦交換作業の省力化、作業性向上、並びに部品点数削減による低コスト化を目的に、新スライドバルブ装置SST型を開発した。SST型は面圧負荷又は解除作業 が簡単なだけでなく、部品点数を従来の約半分にまで削減した。

高耐用SVプレート

佐伯恒信、今井伸彦、森脇宏治

<要約>

SVプレートの面損傷は耐用に大きく影響を及ぼす。面損傷の主な原因は溶鋼中へのカーボンの溶解により形成される脱炭層の磨耗、又は剥離であると考えら れる。本報告では、高い耐磨耗性と高いスポーリング性を併せ持った低カーボン化新材質について報告する。新規に開発したSVプレート材質は実機で使用し面損傷を 抑制することができた。

モーグル型浸漬ノズル

中村 真、井上慎祐、堀内俊男

<要約>

浸漬ノズルの形状は鋼の連続鋳造において、鋼品質や鋳造状態の安定に大きく影響する。鋳造速度の増加や鋼品質の向上のためには、鋳造状態に対応する最適 な形状の浸漬ノズルを選択することが重要である。

当社ではスライドゲートの絞りなどによって発生した偏流を内管に配置した突起によって解消できることを発見した。当社は段差型浸漬ノズルを1992に開発し、多くの 鋳造設備で広く使用されるようになった。また、ますます複雑化する需要に応えるため、2002年に内管に多数の球状突起を配設したモーグル型浸漬ノズルを開発した。モーグル型浸漬ノズルの素晴らしい効果は、多くの連続鋳造機で確認された。モーグル型浸漬ノズルの利用は年々増加している。

モールドパウダーの最近の動向

尾本智昭

<要約>

近年、鋳造条件は過酷化しており、モールドパウダーに対する要求も一段と厳しく、かつ、重要な位置づけとなっている。加えて鋳造速度が2.5m/分を超える 第三世代へと入ってきており、新しい特性を有したモールドパウダーが要望されている。そこでより高速な鋳造条件においても安定で、かつ、鋳片品質を向上させる ことのできる特性を有する数種のモールドパウダーを開発した。

本報では、現在の動向、最近のモールドパウダーの技術的トピックス及び開発経緯についてまとめたので報告する。

新中炭素鋼用モールドパウダー“REVIX”シリーズ

尾本智昭、小形裕文、伊藤純哉

<要約>

中炭素鋼の主な欠陥は、鋳片表面の縦割れや横割れであり、これらの欠陥が高速鋳造化の障害になっている。当社では新しいタイプの中炭素鋼用モールド パウダーREVIXを開発し,実機での鋳片品質向上や生産性向上に成果を得ている。
本報では,新中炭素鋼用モールドパウダーREVIXの主な特性と効果の一例を紹介する。

小型クリーンショット装置

笹井洋一、奥原潤一郎

<要約>

クリーンショット(CLS)工法は,鉄鋼関係を中心として広く利用されている。焼却炉補修においても容易に運搬できる小型クリーンショット装置を新たに開発 した。本装置は,補修部位のすぐそばに設置できるため,離れて設置しなければならなかった従来の大型CLS装置に比較してホース内の材料ロスを低減し,設置工事や 製造コストを抑えることに成功した。

新型回転ドラム侵食試験装置の開発とその適用

内田茂樹、中務正幸、黒住直輝

<要約>

耐火物試料の耐スラグ浸食性を評価するために、回転ドラム浸食試験装置が利用される。この装置の欠点は、試験中に試料成分がスラグ組成中に溶け込み, スラグ成分が変動してしまうこと、さらに,温度制御が困難であり、高熱、スラグガス、粉塵を受ける苛酷な環境下で試験をせざるを得ないことにあった。そこで、 回転ドラムを止めずにスラグの自動供給と排出が可能で、温度の自動制御が可能な新型装置を開発した。この装置を用いることで,作業者の負担軽減,実験時間の任意 選択の効果も得られ、さらに,従来装置では困難であった高耐浸食性材料の評価が可能になった。

関係会社製品紹介

大石橋市品川栄源連鋳耐火材料有限公司

小形昌徳

<要約>

品川栄源連鋳耐火材料有限公司は、品川白煉瓦株式会社と大石橋市栄源?礦有限公司の合弁会社として中国に設立された新しい会社である。品川栄源は冷間 静水圧プレス(CIP)を有し、連続鋳造用ノズルや転炉の出鋼口スリーブを製造している。栄源?礦の製造、販売力に品川白煉瓦の技術力を融合させることにより、 中国の連鋳用耐火物市場に確固たる地位を築いてゆきます。

株式会社ITM

藤井幹也、前田六郎

<要約>

当社は、非晶質(FIBREXCEL;当社の商標)及び結晶質ファイバー(FIBERMAX;当社の商標)の両方を自社生産している世界でも数少ないセラミックファイバー メーカーである。結晶質セラミックファイバーは、非晶質に比べ高温での安定性が高く、近年、需要が増加してきている。結晶質セラミックファイバーの顕著な特徴を 挙げると以下になる。長期に使用しても熱収縮変化が小さく、高温安定性が高い。アルミナ成分が多いので、還元雰囲気中での安定性が高い。不純物が300ppm以下で あり、高純度である。耐熱衝撃性が高く、高強度である。

イソライト工業株式会社

中島幸次

<要約>

セラミックファイバーは耐火性を備えた繊維状の軽量な材料である。現在、セラミックファイバーには様々なグレードがあり、高断熱性,低熱容量により、 1350℃以上の温度で操業している様々な炉で使用されている。高温炉への使用にはαアルミナ質やムライト質のセラミックファイバーが最も適しているが、高価である。

それ故に、低コストグレードのセラミックファイバーと組み合わせて使用することが多い。

帝国窯業株式会社

那須洋一、井神和生

<要約>

当社は品川白煉瓦株式会社のグループ企業である。西日本における生産拠点として、キャスタブル、モルタル、プレキャストブロックといった不定形製品を 製造している。また、無機塗料と無機接着剤は当社ならではの製品である。

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