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品川技報 第47号 (2004年)

品川技報
第47号(2004年(平成16年))

目次

巻頭言

現在・過去・未来

専務取締役 西尾英昭

 

特別寄稿

ブルースコープ・スチール/ポートケンブラ製鉄所における混銑車用耐火物の改良と将来の開発(英文)

BlueScope Steel Limited Len WOODS,Jim MATTHEWS,Ross STEWART

<要約>

ブルースコープ・スチールのポートケンブラ製鉄所は、年間粗鋼生産量520万トンの一貫製鉄所で、オーストラリアのニューサウスウェールズ州のポートケン ブラにある。ここでは38基の混銑車が、2基の高炉から出銑された溶銑を製鋼工場まで運んでいる。混銑車用耐火物の寿命は10年間で250%以上、伸びている。

ここには、こうした改善をもたらした耐火物、施工そして混銑車の管理における変化が記載されている。さらに混銑車用耐火物の寿命とコストに対する将来的な改良も 載っている。

回転円柱法によるアルミナの浸食速度の評価(スラグ成分と温度の影響)

JFEスチール株式会社 飯山眞人

<要約>

CaO-SiO2-Al2O3系のスラグに関して、アルミナの回転円柱法による侵食試験を、様々な成分と温度について行なった。これにより、飽和したスラグとバルクの スラグ中のアルミナ濃度の違い、粘度及びイオンの拡散係数に基づき、スラグ成分と温度の違いによる侵食速度への影響の、理論的な判断の可能性が確認できる。

拡散イオンのメカニズムの研究は、正確な分析を行い、この手法の適用範囲を広げるために必要な研究といえる。

日本の鉄鋼用耐火物の現状

品川白煉瓦株式会社 西尾英昭

<要約>

この10年間、不況下の日本経済にあって、鉄鋼業界は、国際競争力、収益力を強化するため、その生産体制を統合させてきた。また同時に、高級鋼や特殊鋼へ のシフトが加速されるようになった。耐火物業界は、鉄鋼ユーザーのニーズに対応すべく、耐火物の耐用性、信頼性、作業性を向上させると同時に大幅なコスト低減も 進めてきた。また環境に配慮した耐火物の開発が積極的に進められるようになった。以下に、耐火物の過去10年の変化と最近の動向並びに、連続鋳造用耐火物を含む 鉄鋼用耐火物について述べている。

非鉄,ガラス,セメント及び灰溶融炉用耐火物関係報文

非鉄金属用耐火物の現状と将来

倉科幸信,松原健一,藤谷信吾

<要約>

マグネシア-クロム煉瓦は、非鉄金属である主に銅の溶鉱炉で使われている。その煉瓦の損傷は、主に、構造的スポーリング、銅とスラグの差込、そしてスラ グの侵食が原因となっている。私たちは差込を防ぐための、緻密な組織からなる低通気性のマグネシア-クロム煉瓦を、開発した。それらの煉瓦は、現在、多くのプラ ントで使われている。アルミニュームの炉では、高アルミナ煉瓦だけでなく、キャスタブルやプラスチックが使われている。そこで精錬する温度は低く、スラグの浸透 はほとんどないものの、金属が煉瓦の中に浸透し、煉瓦の品質を低下させる。従って、そこで使用される煉瓦やキャスタブルは、付加的な機能として、金属に反応しに くい離型性のよい品質が使われている。

ガラス窯用耐火物の現状と将来

倉科幸信,斎藤敬治,藤谷信吾

<要約>

現在、主なガラス窯用耐火物として、電鋳煉瓦や焼成煉瓦のような、様々な種類の煉瓦が使われている。溶けたガラスに、直接接しないガラス窯の耐火物部分 には、焼成煉瓦、シリカ煉瓦、アルミナジルコン煉瓦などが、使用されている。またガラス窯の側壁とチェッカー煉瓦には、マグネシア、スピネル、高アルミナ、粘土 質煉瓦が使用されている。近頃は、環境問題から、マグネシア-クロム煉瓦の使用は減少してきている。チムニーチェッカー煉瓦は、高熱交換効率であることから、 使用が増加してきている。効率は、煙道の大きさと煉瓦の厚みに依存する。従って炉の構造と操業状況によって、適切な煉瓦を設計することが重要である。

セメントロータリーキルン用れんがの現状と将来

飯田栄司,斎藤敬治,小宅民淳,原 広宣

<要約>

セメントロータリーキルンの高温になる焼成帯で従来使われてきたマグネシア-クロム煉瓦に変わり、クロムを含まない煉瓦が、世界的な環境問題への取り組 みから鍵となる技術として出てきている。損傷要因の変化に伴い、遷移帯と冷却帯に使用しているマグネシア-スピネル煉瓦を改良することも重要である。

本報では、そのような現状の問題と解決のためのアイデアが検討されている。

灰溶融炉用耐火物

窪田行利,飯田栄司,松原健一,山本利弘

<要約>

近頃、地球環境問題の視点から、灰溶融炉が廃棄物処理技術として、重要となっている。SiC、C-Sic、Al2O3-Cr2O3、それにMgO-Cr2O3などの耐火物は、 個々の炉の操業条件によって様々に使われている。そして様々な灰溶融炉のこれらの耐火物についての特徴を、要約するとともに、新たに開発したクロムフリー煉瓦に ついて紹介している。特殊なスピネル原料を活用することで、クロムフリー煉瓦は従来のクロム煉瓦より同等ないし、よりよい耐食性を示しいる。これらのクロム フリーれんがの適用と開発は、経済面並びに、環境面の要求から将来、廃棄物溶融炉の技術に対して、よりその重要度を高めていく。

非鉄金属用SUBMAXれんが

保坂隆一,高倉雄一,高木辰男

 

鉄鋼用耐火物関係報文

連鋳用機能材の抜熱抑制技術 ~モールド内溶鋼表面からの放熱抑制~

小形昌徳,尾本智昭,井上慎祐,岩本行正,北村 卓

<要約>

SENとモールドパウダを通じての、モールド内の溶鋼表面から大気への放熱は、連続鋳造における鋼の品質と操業効率に影響します。SENからの熱ロスを 抑えるために、低熱伝導AG材や、ノンカーボン内管材やファイバーレス断熱材が使われています。この結果は、鋳造時のSEN表面の低い温度によって確かめられ ます。モールドパウダーに関しては、パウダー層の厚み、スラグの粘度、表面状況、吸熱、発熱特性とパウダー消費量が、断熱特性に対し影響します。
超高粘性モールドパウダーであるPRIOSは、熱ロスを防ぐために特別な効果を発揮する。

浸漬ノズル材料の伝熱特性

野村 修,内田茂樹

<要約>

実際の特殊鋼の管理データと、理論密度に近似した単一材質で構成された浸漬ノズルモデルを使用して、FEMによる伝熱解析を、行った。鋳造初期は、稼動 面温度の差は大きくなり、特に黒鉛の場合、稼動面の温度は、反吐出孔側の底の部分が最も低くなることが判った。稼動面温度が上がる割合が、最も高いのがZrO2 で、最も低いのが黒鉛だった。溶鋼の温度降下は、ノズルからの放熱とノズルへの蓄熱の増加によりさらに大きくなる。ZrO2はノズル内稼動面付近の蓄熱に有効な 材料である。黒鉛は、すばやく熱を運び、より多くの熱を放出するのに有効な材質といえる。鋳造が終わりに近づくと、蓄熱量は小さくなり、放熱は大きくなった。

その溶鋼温度降下は、鋳造開始時に比べ、大変小さくなった。アルミナの付着を防ぎ、溶鋼温度の低下を抑制するのに最適な材料の持つ温度特性が紹介されている。

早期強度発現性湿式吹付け材の開発

丸山和志,北村匡譜,小松原清行,飯田貴志

<要約>

粉末とスラリーは一般的に、早期強度発現性湿式吹付け材の凝結材として、用いられている。しかし、粉末凝結システムには、拡散性に問題があり、スラリー凝結 システムには作業性の問題がある。これらの問題の解決策として、凝結材として、拡散の均一性と貯蔵の安定性を備える吹付けに優れた液体バインダーを使用した。 私たちは、プレミックスキャスタブルに液状の凝結材と拡散材を、特別の組み合わせで使うことにより、セメントの硬化反応を加速することができることを発見した。 そして早期硬化クリーンショットシステムを開発した。

高炉補修技術

窪田行利,北村匡譜,奥原潤一郎

<要約>

高炉の長寿命と安定操業のために、非常に正確な補修技術が、求められてきた。著者らは、高炉のシャフト部分の補修のために、新たにクリーンショット (CLS)を開発した。それは従来の乾式吹付補修に比べ、高い耐久性と施工時間の短縮、並びに発塵とバウンドロスの減少を実現した。私たちはまた、高炉上部用 早硬性水系圧入材と、従来の装置で施工可能な高炉下部用非水系圧入材などの新しい高炉補修圧入材を開発した。

連鋳用MgO-Cプレート及び上ノズル

吉村裕次,今井伸彦

 

新型スライドバルブ装置

光井健治,長田基嗣

 

関係会社新製品紹介

ペースト状乾燥剤「PT-DESICCANT-No.29」

山村 隆,若杉勝廣,布施勝彦

 

歯科埋没材用珪石

片山 光

 

無機塗料・無機接着剤

井神和生

 

マグネシア安定化ジルコニアセラミックス

白仁田昭,一森照光